マイホームを建てる際に後悔しやすいポイントを、お金/間取り/設備/外装・外構/業者選びに分けて詳しく紹介します。
さらに、後悔ポイントを踏まえて、マイホームを建てる際に失敗を避けるコツもまとめました。
目次
1.マイホームの後悔ポイントとは?
この記事では、マイホーム(注文住宅)を建てる際の後悔ポイントについて詳しく取り上げます。そもそも後悔ポイントは、大まかに以下の5つに分類可能です。
- 1.お金
- 2.間取り
- 3.設備
- 4.外装・外構
- 5.業者選び
これら5つの側面から後悔ポイントを把握して、満足のいくマイホーム建築を実現させましょう。
(1)お金の後悔ポイント
理想と予算のバランスに悩んでしまう方は多いですが、4つの後悔ポイントを参考にしながら予算について改めて検討してみましょう。
①予算オーバーに後悔
計画を進めるうえで希望を詰め込んでしまい、当初の予算をオーバーするケースがあります。
予算オーバーの状態でマイホームを建ててしまうと、住宅ローンの月々の返済額が高くなり、その後の生活が逼迫するおそれがあるため注意しなければなりません。
マイホーム建築では、ゆとりのある返済計画が必要不可欠です。そのため、優先順位を付けたうえで建築計画を立てながら、万が一の費用発生を見越して予算を組んでおきましょう。
なお、マイホームの費用は建物代のみではありません。予算を組む際は、土地に関する費用/手数料/税金などの諸経費も考慮することが大切です。
②予算の気にしすぎによる我慢で後悔
予算オーバーとは反対に、予算内に収めることを気にしすぎるあまり、満足のいくマイホームを建てられなかったというケースも代表的な後悔ポイントです。
後悔を避けるには、妥協できるかどうかを含めて優先順位を付ける必要があります。
ただし、料理・洗濯・掃除など「暮らしやすさ」に直結する部分の妥協は、後悔につながる可能性が高いため避けるべきです。なお、
- ・交換が難しい
- ・交換に高額な費用を要する
こういった箇所については、建築時にお金をかけておくと将来的な節約につながりやすいためおすすめします。
③無駄なオプションを追加して後悔
「無駄なオプションを追加してしまった」というケースも、ありがちな後悔ポイントです。
マイホームの建築契約後にオプションを追加した結果、想定外に多くの費用が発生して困ってしまうケースは多く見られます。魅力的なオプションは多いものの、すべての追加は現実的ではありません。
また、さまざまなオプションを追加しても、生活を始めると不要なモノが生じます。オプションの必要性は、実際に暮らしてみないとわかりません。
そのため、多少の手間が発生しますが、オプションを検討する際は、生活に本当に必要なものどうかひとつひとつ精査して決めると良いでしょう。
④住宅ローン返済に家計が圧迫されて後悔
マイホームを建ててからしばらくすると、「住宅ローンの借入額に圧迫されないよう、金額を減らしておけばよかった」という後悔ポイントが生じやすいです。
当然ですが、住宅ローンの借入額は、無理なく返済可能な範囲内で決めましょう。例えば、ボーナスを想定しないなど、なるべくゆとりを持った返済計画を立てると後悔を避けられます。
(2)間取りの後悔ポイント
間取りについては、マイホームを建てた後、実際に住み始めてから生じる後悔ポイントが多いです。2つのポイントを参考に、後悔しないための間取りを検討しましょう。
①部屋の計画に失敗し部屋が狭いと感じて後悔
部屋が狭いと感じてしまうケースは、間取りの代表的な後悔ポイントです。
部屋を狭いと感じる主な理由には、家具を配置した際のイメージが事前にできていなかった点にあります。何も置かれていない部屋は広く感じやすく、家具を置けばスペースは狭まるものです。
この後悔ポイントを避けるには、家具の配置を図面に書き込んでおくと良いです。配置する家具を寸法どおりに図面に書けば、どれほどのスペースが残るのか容易に把握できます。
なお、平面でわかりにくい場合は、模型や3D画像の利用もおすすめです。
②家事・生活動線に不便を感じて後悔
家事や生活に不便を感じるという後悔ポイントは、ストレスが溜まる原因にもなります。負担が大きいと、家事を億劫に感じてしまいかねません。
家事・生活動線に不便を感じる家は、主に以下のような特徴を持っています。
- ・廊下やバルコニーが狭い
- ・洗濯を干すために階段の上り下りを要する
- ・収納場所(位置)が分かれすぎている
この後悔ポイントを避けるには、実際にマイホームで生活するイメージを明確にしたうえで間取りを決めることが大切です。
例えば、洗濯機を置く場所から洗濯物を干す場所に行くまでの動線に注目して階段の上り下り/急勾配を省くと、移動の負担を軽減できます。
(3)設備の後悔ポイント
ここで紹介する3点も、間取りと同じく、マイホームで暮らし始めてから生じる後悔ポイントです。
①コンセントの数や配置に失敗して後悔
コンセントの数や配置は漠然と決めてしまいがちですが、将来的に大きな後悔ポイントとなりやすい要素です。
イメージを持たずに配置すれば、必要な場所にコンセントがなかったり、家具の裏にコンセントが隠れてしまったりと不便が生じます。
この後悔ポイントを避けるには、部屋ごとに使用・配置する家具を想定したうえで、コンセントの数・配置を決めると良いでしょう。
②収納スペースがなく物があふれて後悔
「収納スペースをもっと作っておけば良かった」という後悔ポイントもよく聞かれます。
収納スペース不足により部屋が散らかってしまうと、せっかくのマイホームが台無しなうえに、モノを片付けずに放置する癖が付きかねないため要注意です。
この後悔ポイントを回避するには、現時点で所有するモノを把握したうえで、これを使用する部屋ごとに収納スペースを配置するといった綿密な収納計画を立てましょう。
また、必要なモノを出し入れしやすい収納計画を意識すると良いです。
③断熱性/気密性/遮音性に関する後悔
断熱性や気密性が不十分だと、快適に暮らせないだけでなく、冷暖房効率が悪いために光熱費がかさむことから、大きな後悔ポイントにつながりやすいです。
室内温度は、
- ・採光
- ・風通し
- ・断熱材の使用
- ・窓の大きさ
などさまざまな要素で変動します。特に日差しの入り方などは季節や時間帯によって大きく変動するため、これらを考慮したうえで設計しましょう。
また、気密性/遮音性については、ニオイや音などが後悔ポイントとして挙げられます。計画段階において住み始めてからのニオイや周囲の音まで考慮している方は少数ですが、暮らし始めてみると、
- ・「雨の日にお風呂場から変なニオイがする」
- ・「近隣の家の生活音が気になる」
このような悩みが生じるケースも少なくありません。
窓の取り付けが少ない場合、喚起が十分にされずにニオイが部屋にこもってしまいやすいですが、こうした点を考慮せずに空気の循環が悪いマイホームを建ててしまうと体調面に支障をきたすおそれがあります。
そのため最低でも、
- ・窓の数
- ・風の通り道
- ・日当たり
これらの点を事前に確認しておきましょう。
加えて、生活音や周囲の音が家中に響いて熟睡できずに悩むケースもよく聞かれます。もしもマイホームの建築予定地がある場合、あらかじめ複数の時間帯・曜日に足を運んでみると良いでしょう。
- ・交通量の多い場所かどうか
- ・学校の通学路になっているかどうか
など、周囲の状況を把握したうえで防音対策を検討してください。
(4)外装・外構の後悔ポイント
見栄えだけでなく家の使い勝手に直結する要素であるため、ここで紹介する2点についても手を抜かずに検討しましょう。
①バルコニー/車庫を狭く感じて後悔
見栄えを重視するあまりバルコニーを狭く設計すると、洗濯物が干しにくくなり後悔ポイントにつながりやすいです。バルコニーで洗濯物を干すつもりであれば、スペースを十分に確保しましょう。
また、車庫も実際に使い始めてから狭さを感じ、「もっと広く設計しておけば良かった」という後悔ポイントにつながりやすいです。乗り降りや荷物を積むスペースも考慮しながら、ゆとりのある広さを確保しましょう。
また、将来的に大きな車を購入する可能性があるならば、この点も考慮して車庫の広さを決めることが大切です。
②外壁の見た目の印象や強度に問題が発生して後悔
外壁については、見た目の印象や強度に問題が生じて、「違うモノにしておけば良かった」という後悔ポイントが生じるケースが多いです。
外壁を決める際に用いるサンプルは小さく、実際の見栄えとは異なります。光の当たり方によっても見栄えは変わるため、太陽光/蛍光灯などさまざまな光に当ててチェックすると後悔ポイントを避けることが可能です。
なお、外壁は家を保護する役割も担っているため、素材の性質も考慮しましょう。
(5)業者選びの後悔ポイント
業者はマイホーム建築において欠かせない存在です。2つの後悔ポイントを参考に、信頼できる業者をパートナーに選びましょう。
①コミュニケーション不足で自分の意見を言えずに後悔
マイホームを建てる際は専門用語が頻繁に使用されるため、しばしば理解の難しい場面も見られます。
しかし、業者からの説明を理解できないまま聞き流すと、後悔につながりやすいため、説明に不明点があれば遠慮なく積極的に尋ねましょう。
大切なのは、マイホーム建築について、双方の認識にズレがない状態を保つことです。この状態が崩れると、意見の食い違いや要望どおりの家に仕上がらないといったトラブルが発生します。
いずれにしても業者側とのコミュニケーション不足により起こるトラブルであるため、自ら積極的なコミュニケーションを心がけると良いです。
②希望する家の特徴に合った住宅会社を選べずに後悔
マイホーム建築のプロである業者にも、それぞれに得意/不得意が存在します。
例えば、和風建築に強みを持つ業者に洋風建築を依頼しても、要望どおりに完成するとは限りません。
たとえ評判や施工実績に魅力のある業者であっても、自身が建てたいマイホームの特徴とかけ離れているならば依頼を控えるべきです。
以上、マイホームの後悔ポイントを5つの側面から紹介しましたが、これらの他に「立地」選びで後悔してしまう方も少なくありません。
「立地選びの後悔ポイントも押さえて、より満足度の高いマイホームを手に入れたい」という方は、合わせて『マイホームの立地選びに後悔した意見一覧!失敗談から対策を紹介』もご覧ください。
2.マイホームの後悔ポイントを踏まえた失敗を避けるコツ
これまでに紹介した後悔ポイントを踏まえて、失敗を避けるコツは以下の5つにまとめました。
- ・マイホームでの暮らしのイメージを明確化させる
- ・マイホームに関する知識を身に着けておく
- ・モデルハウスを訪れて実際に家を見る
- ・理想に近いマイホームを建ててくれる会社に依頼する
- ・打ち合わせで納得できるまで質問/相談する
上記5つのコツを実践して、理想のマイホーム建築につなげましょう。
3.マイホームの後悔ポイントに不安があるなら専門家に相談する
この記事では、マイホームを建てる際に後悔しやすいポイントを、お金/間取り/設備/外装・外構/業者選びに分けて詳しく取り上げました。
紹介した後悔ポイントを踏まえて、失敗を避けるコツを実践しましょう。もしもマイホームの後悔ポイントに不安があれば、専門家に相談すると良いです。
中でもマイホームの予算や住宅ローン選びに関する悩みは、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)への相談をおすすめします。
監修:ファイナンシャルプランナー(FP) 高橋成壽