住宅購入に失敗はつきものと言われています。むしろ100%満足のいくマイホーム購入になる人はいないといっても過言ではなさそうです。それは、置かれた状況がそれぞれ異なり、物件は2つとして同じものがないからです。
あなたがもし、家を買おうとしたらどんな順序で考えればいいのかをお伝えします。
1. 家が欲しいと思う
- 何が起こる?: 「そろそろ自分の家がほしい」と思い始める。結婚や家族が増えたことがきっかけになることが多いです。
- どうやって知る?: 友達から話を聞いたり、SNSや広告で情報を見たりします。
家を買うきっかけはそれぞれです。家賃がもったいないと考える人がいます。子どもが小学校に進学する前に買いたいと考える人もいます。転勤が多いので、子どもに転向させたくないと家を買おうとする人もいます。社宅を追い出されるタイミングの人もいますし、定年後に地元で家を建てたいと考える人もいます。友達が買ったから、SNSでインフルエンサーの投稿に興味を持った人もいるでしょう。どこかのタイミングで家を買いたいと気が付く事、そこがスタート地点です。
ですから、きっかけは何でもいいし、いつでもいいのです。大切なことは家を買いたいとという気持ちと、家族の同意です。ご家庭がある場合は、自分だけの気持ちで家を買おうとしないこと。この注意を守らないと家族に不穏な空気が流れたり、購入後の幸せが遠ざかっていくと考えましょう。
桶の水の上にボールが浮いているとします。自分の方にボールを寄せようと水をかくと、ボールはあなたから離れていきます。反対に、相手に対してボールを送るように水をかくと、波が桶に跳ね返ってボールをあなたの近くに届けてくれるでしょう。
家族の気持ちを慮ること、それがマイホーム購入で後悔しない一歩です。
2. どんな家がいいか調べる
- 何が起こる?: どの場所に住みたいか、どんな家がいいか、どのくらいお金がかかるかを調べます。
- どうやって調べる?: インターネットで検索したり、モデルハウスを見に行ったり、不動産のセミナーに参加したりします。
家を買いたいと思ったら、家について調べましょう。不動産のポータルサイトであるスーモやアットホーム、ホームズを検索したり、自宅や職場付近の不動産会社でチラシを見てみましょう。ここから情報収集の段階に入ります。
今の家賃と比べることで、いくらの物件なら支払いに支障がないか比較しましょう。住みたい地域や駅によって、物件の価格が大分違うことがわかるでしょう。一般的に、今賃貸している人は、同じ地域で家を買おうとすると予算オーバーになります。それは、今の家賃が支払える手ごろな値段になっているから。
今の家賃と同額の住宅ローン負担で買える家を探すなら、隣の県、隣の市、隣の駅になる可能性が高いので、地域に執着しない方がいいでしょう。執着は的確な判断を狂わせます。
自分が育った自治体がいい、子どもの教育に熱心な文教地区に住みたい、色々あるでしょう。1つの目安は最寄り駅や近隣の方々の世帯年収です。公的情報から駅ごとに平均的な世帯年収が割り出されています。不動産会社ではそこまで把握していないかもしれませんが、あなたの収入に合わせた地域に住まないとあとで金銭的に苦労することになるでしょう。
地域ごとの予算感を確認するところから始めましょう。注文住宅の場合は、ハウスメーカーや工務店ごとの特徴を調べるといいでしょう。そして「余計なお世話」ですが、家を買う時には、妥協点を見出すことが重要です。家庭でも仕事でも、人生でも同じですね。
3. いくつかの家を比べる(比較検討)
- 何が起こる?: 気になる物件をいくつか選んで、どれが一番自分に合うか考えます。
- どうやって決める?: 実際に家を見に行ったり、不動産の担当者と話したり、家の価格やローンのシミュレーションをします。ファイナンシャルプランナーという外部のチカラを借りるのも大切です。
手ごろな予算感がわかってきたら、物件の比較検討段階に入ります。一戸建てとマンションではそもそもの広さ、間取り、維持費が違うことがわかります。子どもが小さい時に家を買うと広さで失敗しやすいので注意が必要です。
たとえば男女同室で成人まで暮らしますか?一人一部屋確保できないとプライバシーを守ることができません。一人になりたいときに、家出をせざるを得ないのか、自分の部屋に籠れるのかでは、安全性が異なります。また勉強や趣味に集中することが難しくなります。
理想は成人時点で一人一部屋が確保できること。あとでリフォームしても構いませんので、家族全員が成人したときの暮らし方を想像すると失敗がありません。
また、国土交通省は人間らしく暮らすための広さを発表しています。一人25平米
4. この家に決める
- 何が起こる?: 購入する家を最終的に決め、契約を結びます。
- どうやって進める?: 価格の交渉やローンの手続きを行います。不動産会社や銀行のサポートを受けます。
ようやく購入段階にきました。マイホームへの希望と現実のはざまで、ようやく物件を決めることができました。不動産は早い者勝ちの商品ですから、契約や住宅ローンの手続きを迅速に進める必要があります。世の中には何でもアリの不動産会社あり、購入すると言っているのに他の購入者に物件を売ってしまう不動産会社もいます。正直不動産がフィクションとは思えない業界であり、いい担当者を見つけるのは至難のワザと言えます。
物件が決まったら、他の人に買われないように手付金を支払ったり、契約を素早く進めましょう。事前に住宅ローンの審査ができていると、すぐ本審査に移ることができます。不動産会社に行く前に、住宅ローンの仮審査が終わっているといいでしょう。
不動産会社経由で住宅ローンの仮審査を行うと、不動産会社に勤務先、収入など住宅ローンを借りる際に必要な個人情報を伝えることになります。すると、高い物件を紹介される可能性が格段に上がります。不動産会社は高い物件を売った方が売買手数料が高いため、同じ労力であれば高い物件を売りたくなるのです。収入情報をぼかしておくことで、あなたに適切な予算を自分たちでコントロールした状態で、家を探すことができるのです。
5. 新しい家に住みはじめる
- 何が起こる?: 新しい家に引っ越して生活を始めます。
- どうやって安心する?: 不動産会社からアフターサービスやメンテナンスのサポートを受けます。
売買契約を済ませて、住宅ローンの本審査に合格したら、晴れて住宅ローンの融資実行日が決まります。融資実行日をもって鍵の引き渡しがあり、正式に不動産があなたの所有となります。
家を買うまでは気持ちが高ぶって、予算オーバーの高額物件を購入したり、家具や家電は新しいものを買い求めたりしがちです。
そして、引っ越した後にやってくるのがクレジットカードの請求です。ここで多くの人が現実に気が付きます。「舞い上がっていた」ことに。
しかし購入してしまっては後の祭りです。引っ越し代と新生活費として100万円単位の支出になることも少なくありません。ちゃんと火災保険はかけていますか?ハザードマップを確認したうえで損害保険の補償を決めていますか?銀行や不動産会社に任せていると無駄に高い保険になってしまいがちですので、保険代理店を通じて比較検討することをお勧めします。
新生活がはじまると、住宅ローンの返済が始まります。ここでも、想定外の事態が起こります。思っていたより支出が増えているのです。今までの家賃以上に支払いの増えた住宅ローン、マンションの場合は使っても使わなくても管理費修繕費がかかります。火災保険、地震保険、固定資産税・都市計画税などいろいろな名目で家からお金が出ていきます。
引っ越したら次にやるべきは、家計の見直しです。物価上昇、以降の金利引上げによる返済額の増加、家族の成長に伴う生活費の増加、習い事や学費など、支出が減る要素は1つもありません。住宅ローンの返済、子どもの教育資金の準備、老後生活資金の準備が滞りなくできるよう、家計を管理しましょう。家を買うのであれば、夫婦の財布は一元管理することが理想です。共働きであっても、共通の目標にむかって一緒に家計を管理しましょう。
このように、家を買うときには色んな段階がありますが、不動産会社はそれぞれのステップでサポートしてくれます。マイホーム予算の決定、住宅ローン選定、引っ越し後の家計見直しや保険見直しのタイミングでファイナンシャルプランナーに相談し、無駄を省きましょう。
あなたが素敵な家を買い、素敵な新生活を送ることができるよう、応援しております。