住宅購入を考えたとき「自分の年収で本当に家を買って大丈夫だろうか?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、年収が低い人が住宅購入時に陥りがちな5つの落とし穴とその対処法をわかりやすく解説します。
年収が低くても住宅購入はできる?基本的な考え方
住宅購入を考えたとき、多くの方が最初に気になるのは「自分の年収で本当にマイホームが持てるのか」という点でしょう。特に年収が低めの方にとっては、住宅ローン審査に通るかどうか、購入後の生活が苦しくならないか、不安がつきものです。
では、そもそも「年収が低い」とはどの程度なのでしょうか。国土交通省のデータによると、日本の住宅購入者の平均年収はおおよそ500万〜600万円と言われています。これに対し、年収300万円台〜400万円台で住宅購入を検討している方は失礼ながら「年収が低い層」に該当します。しかし、だからといって必ずしも住宅購入を諦める必要はありません。
実際、年収400万円以下でも、家計の見直しや無理のない資金計画を立てれば住宅購入は十分可能です。むしろ、年収が低いからこそ堅実な計画を立て、慎重に進めることが重要になります。
住宅購入を検討する際には、「購入後も家計に余裕があるか」「今後収入が減るリスクはないか」「万が一の時に生活を維持できるか」など、長期的な視点での判断が必要です。
そもそも「年収が低い」とはどの程度か
一般的に、住宅ローンを組む際の「年収の目安」は、ローン返済額が年収の25%〜35%以内に収まることが望ましいとされています。例えば年収300万円の場合、月々の返済額は約6万円〜8万円程度が目安です。
この返済負担率を考慮すると、年収300万円台の方が無理なく借りられる住宅ローンの借入額は、2,000万円前後が上限になります。それ以上の借入をすると、生活が圧迫される可能性が高まります。
住宅購入に必要な年収と借入額の目安
年収が低くても、頭金を多く準備したり、親からの資金援助があれば借入額を抑えることができます。また、住宅の価格帯を見直し、「中古住宅」や「建売住宅」など、価格を抑えた選択肢も検討できます。
さらに、諸費用(登記費用、仲介手数料、火災保険、引越費用など)も想定しておく必要があります。諸費用は住宅価格の5%〜10%が相場と言われており、年収が低いと諸費用が相対的に大きな負担になりがちです。
年収が低い人が住宅を購入する際の心構え
年収の低い方が住宅購入を目指すとき、一番大切なのは「周囲と同じレベルの家を買おうとしないこと」です。住宅購入は人生の大きなイベントですが、家はあくまで「生活の基盤」であり、「生活のために家がある」のであって、「家のために生活を犠牲にする」ことがあってはいけません。
身の丈に合った資金計画を立て、「買った後の生活を守る」ことを最優先に考える。それが、年収が低くても住宅購入を成功させるための最大のポイントです。
住宅購入で年収が低い人が直面しやすい5つの落とし穴
住宅購入を検討する際、特に注意すべきなのが「無理な購入計画による失敗」です。ここでは、実際によく陥りがちな5つの落とし穴を具体的に解説します。
1.無理な住宅ローン返済計画を立ててしまう
住宅を購入したいという気持ちが強すぎて、自分の年収や生活費を無視した無理な返済計画を立ててしまう方は少なくありません。特に注意が必要なのが、「返済額は少しキツいけど、何とかなるだろう」と楽観的に判断してしまうケースです。
【重要】ボーナス払い前提の計画は危険
その代表例がボーナス払い前提の返済計画です。一般的にボーナスが出るかどうかは景気や会社の業績に左右されがちで、絶対にもらえるとは限りません。ボーナス払いを当てにしたローン計画は、ボーナス減額やボーナスなしに対応できず、生活を圧迫する可能性が高くなります。
2.諸費用や維持費を見落とす
住宅購入では、物件価格以外にも登記費用・仲介手数料・火災保険料・引越費用など、さまざまな諸費用がかかります。これらは物件価格の5%〜10%ほどが目安ですが、諸費用の準備ができていないと資金繰りが苦しくなる原因になります。
また、購入後も固定資産税や修繕費、住宅ローン以外の維持費がかかります。物件価格だけで予算を組むと、生活費が圧迫されやすいので注意が必要です。
3.将来の収入減・ライフイベントを想定していない
「今は返せそうだから大丈夫」と考えていても、将来的な収入減やライフイベント(出産・教育費・病気・介護など)を想定していないと、後々返済が困難になる可能性があります。
生活に予期せぬ支出が発生した際、家計が影響を受けやすいため、長期的な視点で返済計画を立てることが重要です。
4.審査に通すために年収を盛る・嘘をつく
住宅ローン審査に通したいがために、年収を偽ったり、副業収入を過大に申告するなど、実態より多めに申告するケースもあります。しかし、これは審査時に提出する書類ですぐばれます。
審査を通すことを目的化せず、正しい情報で無理のない借入額を設定することが大切です。
5.相談せずに自己判断で進めてしまう
「年収が低いから、どうせ相談しても無理だろう」「知られるのが恥ずかしい」と思い込み、誰にも相談せずに独断で住宅購入を進めてしまう人が多くいます。
しかし、専門家に相談することで、自分では気付かなかった資金計画の立て直しや、利用できる支援制度を知ることができます。特に年収が低いからこそ、第三者の客観的なアドバイスを受けることが、購入成功の大きな鍵になります。
年収が低い人が住宅ローン審査を通すためのポイント
年収が低い場合、住宅ローンの審査はやや厳しくなります。しかし、ポイントを押さえれば審査通過の可能性を高めることは十分可能です。このセクションでは、そのような場合でもローン審査を突破しやすくなる具体的なポイントを解説します。
返済負担率を下げる方法
金融機関が審査時に特に重視するのが、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)です。一般的に、返済負担率が30%を超えると審査は厳しくなると言われています。
この割合を下げるために、借入額を抑える、返済期間を延ばす、ボーナス払いをなくすなどの工夫が有効です。また、すでに他の借入がある場合は、完済しておくことも審査上プラスになります。
頭金や自己資金を増やす工夫
借入額を抑えるもう一つの方法は、頭金を多く用意することです。自己資金が多ければ、金融機関は「返済能力がある」と判断しやすくなります。
親族からの贈与を活用したり、貯蓄に励むなど、自己資金を増やす工夫をしておくと良いでしょう。
低金利ローン・公的融資を活用する
審査基準や金利が比較的緩やかな公的融資制度を検討することも有効です。代表的なものに、住宅金融支援機構のフラット35です。
フラット35は年収による返済比率の制限はあるものの、金利が固定で将来の返済計画が立てやすいという特徴があります。
他の借入・クレジットカードの整理
意外と見落とされがちなのが、他の借入やクレジットカードの利用状況です。消費者金融や自動車ローン、リボ払いなどの残債があると、金融機関は「借入過多」と判断し、審査にマイナスになります。
また、クレジットカードのキャッシング枠も審査に影響するため、必要ない場合は解約や減額を検討しましょう。
住宅購入で失敗しないための対処法と資金計画
住宅購入においては無理なく返済できる資金計画と事前の対策が重要です。この章では、住宅購入で失敗しないための具体的な対処法と資金計画の立て方をご紹介します。
資金計画の立て方とシミュレーション方法
まず大切なのは、毎月いくらまでなら無理なく返済できるかを把握することです。そのために、現在の生活費や貯蓄額をもとに、住宅ローン返済額の上限を設定しましょう。
さらに、ローンシミュレーションツールを使って、借入額・金利・返済期間を入力し、返済総額や毎月の返済額を具体的に確認します。この段階で、返済負担率が年収の25〜30%以内に収まるかを必ずチェックしましょう。ファイナンシャルプランナーなら住宅ローンだけでなく、教育費や老後資金の含めたトータルのシミュレーションを作成することができます。
長期的な視点で、「万が一収入が減った場合」「子どもの教育費が増えた場合」なども想定し、余裕を持った計画を立てることがポイントです。
家計の見直しと固定費削減
住宅購入にあたって、家計の見直しは必須です。特に見直しやすいのが固定費で、保険料、通信費、サブスクリプションサービスなどを削減することで、月々数万円の支出を減らすことができます。
家計簿アプリなどを活用し、毎月の支出を「見える化」して、どこに無駄があるかを洗い出す作業が有効です。この見直しによって、住宅ローン返済の余裕資金を確保することができます。
住宅購入前にやっておくべき3つのこと
住宅購入を検討し始めたら、具体的な資金計画のほかに、次の3つの準備をしておくことをおすすめします。
1.生活防衛資金の確保
住宅ローンの返済が始まると、毎月の固定支出が増えます。そのため、万が一収入が途絶えた場合でも3〜6ヶ月間は生活できるだけの生活防衛資金を確保しておくことが大切です。
2.継続的な収入の見込みを立てる
将来的な転職や副業の可能性も含め、継続的な収入が見込めるかどうかを再確認しておきましょう。また、住宅購入後に家計を支えるために共働きの選択肢も検討する価値があります。
3.家族と将来の生活設計を共有
住宅購入は、家族全員の生活に直結する大きな決断です。将来のライフイベントや支出を家族と共有し、「無理のない家計で安心して暮らせるか」を確認したうえで購入を進めることが大切です。
住宅購入でよくある質問と注意点
住宅購入を検討している方からは、不安や疑問の声が多く寄せられます。ここでは、よくある質問と注意すべきポイントをまとめました。購入を進める前に、ぜひ確認しておきましょう。
年収が低くても購入後に後悔しないための注意点
住宅を購入すると、「本当に払っていけるのか」「もっと安い家にすべきだったのでは」と後悔する人が少なくありません。その多くは、購入前の情報不足や無計画な資金計画が原因です。
後悔しないためには、物件価格だけでなく、購入後の生活費や将来の支出まで視野に入れることが大切です。特に、固定資産税や修繕費、火災保険・地震保険などの維持費は見落としがちですが、生活を圧迫する原因となりやすいので注意しましょう。
また、購入後の家族構成やライフプランの変化も考慮する必要があります。将来の教育費、車の買い替え、介護費用など、長期的な支出を見越した計画を立てておくことが重要です。
購入後に返済が苦しくなった場合の対処法
万が一、購入後に収入が減ったり、生活が苦しくなった場合は、早めに対策を講じることが大切です。代表的な対処法としては、以下のものがあります。
まずは、金融機関に相談し、返済条件の変更(リスケジュール)を依頼することができます。返済期間の延長や月々の返済額の減額が認められる場合があります。
また、家計の支出を見直し、固定費の削減や副収入の確保など、家計改善策を早めに検討することも効果的です。
専門家に相談するメリットと相談先一覧
住宅購入は、人生で最も大きな買い物と言われています。それだけに、自己判断だけで進めるのはリスクが高く、専門家のアドバイスを受けることで失敗を防ぐ可能性が高まります。
具体的な相談先としては、以下が挙げられます。
- ファイナンシャルプランナー(FP):資金計画や住宅ローン返済計画を一緒に考えてくれる専門家。
- 住宅ローン相談窓口:金融機関や自治体の無料相談サービス。
- 司法書士・税理士:登記や税制優遇制度の手続きについて相談可能。
特に年収が低いからこそ、資金計画や返済計画を第三者の視点から客観的にチェックしてもらうことが、後悔しない住宅購入につながります。